Googleと竹の穂先

鮎原人

2010年12月20日 12:17

昨日、リカちゃんの秘伝に出会い、竹穂先の感度に 感度う した。 w

そして今日、Google日本語入力に出会い、
その突き抜けた感覚に痺れたw


ではそこで、鮎原人が何を感じ、何を思ったのか。。。

鮎原人ワールドを覗いてみたい方は、続きへどうぞw 尚、読んで頭が変になっても知りませんよ (爆)


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まずは、Google日本語変換のリンクのコミックを読んで頂きたい。
話はそれから。

読み終わりましたか? 結構面白い喩えがあって、良くできた漫画でしたでしょ?

では。。。



竹で出来た穂先は究極の感度だと言われる。
鮎原人自身は手に持ったことは無いが、村田満名人などは、竹穂先の感度を最上と認めて、ダイワ鮎竿に求めていたと聞く。
竹穂先の感度が最高なのは、リカちゃんの秘伝でも同様のようだ。

つまり、ハイテクが極まっても、行き着く先は古くからの素材・伝統・・・という図式のようである。
このように旧来の伝統が見直されそこに収束していく事例は、相手が魚のような自然物だったり、人間自身であったりと、人間が工業化する前から存在する対象を相手にする世界では多く見られる。

さて、そうでないのがコンピュータの世界だ。
これは当初から自然界に存在していた対象物ではなく、人間独自に構築した世界である。
そこは、特にハードウエアに関しては、伝統回帰とはかけ離れた世界で、新しい物が常に古い物より優位に立つ。
その一つの典型的な例が、このGoogle日本語入力開発秘話の中に見て取れる。

何かというと、日本語変換の処理スピードに関するくだり、、(要約)
-- 従来はハードウエアのスピードの遅さをカバーする為に、ソフトウエアがスピード重視の設計をせざるを得なかった。つまり、各ハードウエア、OSに依存した専用設計であった。ところが、現代はコンピュータの処理スピードは申し分のない領域まで来ており、スピード重視の専用設計よりも、互換性・汎用性・ユーザビリティを最重要視したものづくりが優先される。

という部分と、日本語辞書開発のくだり、、、(要約)
-- 辞書はWedの使用単語・用例から自動生成。従来のように日本語専門家による用語の体系整理など不要。

更に、、
-- 用例、予測変換などの優先順位は、Web上の統計情報+ノイズ除去技術により、自動で生成される

これらの新しい概念により、これまでと全く異なるアプローチでIME(入力変換エンジン)が完成されたそうである。

ここでハタと気がつくのが、今私が使っているATOK。勿論、ジャストシステム製。
このシステムは、上記Google日本語入力に比べれば、要するに「ゴリゴリ」作っている系。MS-IMEとて同じ。

ところが、Google日本語入力はこれらを自動で行ってしまうだけではなく、バージョンアップも自動、しかも無料。
従来ソフトメーカーからしたら、「勘弁して欲しい」話である。

このあたりが、新技術が旧技術にとって代わってしまう、コンピュータの世界の一例だ。
昨日まで「最高」だった筈のATOKが、ものの1時間で「陳腐」に思えてくる。



で、このGoogleの技術は、Webがすべての源であるが、そもそもそれらはGoogleが作ったものではなく、我々利用者が作ったページ、および利用者が打ち込んだ検索単語、検索結果に基づく。
それを「神の仕業」よろしく、収集し、解析・再利用しているのである。
Google設立当初からそこまで考えていたのだろうか。こうなることが予測されていたのだろうか?
Web上の文書は、とくに明記されてない限り、著作権は無い。それに、各PCに表示された時点でそれは、サーバから転送された「コピー」であり、すでに利用者側に「渡って」しまっている。(小飼弾氏いわく)
だから、Googleさんが利用することに何の障害もない。(従来の紙媒体の電子化には問題があるが)



さてここで思うのが、このWebから辞書並びに用例・予測変換システムまで作ってしまう技術・・・
もっと応用できれば大変なことになると予想する。

ロボットは、人間と変わらないコミュニケーションが出来るようになることが一つの理想であり、そこに向けて開発が進んでいるようだが、問題は自然言語処理だと思っている。
これは単に言語を理解できるだけでなく、コミュニケーションとして積極的に相手と「通じる」ことが最終目標。
これまでの科学者は、ロボットの神経回路を人間の脳の様にネットワーク化すれば、それは人間の脳と同等になると予測している。だが果たしてどうだろうか? 人間の脳と言ったって、お利口さんの脳もあれば、そうでないのも。子供の脳もあれば、大人のそれもある。一体どの「モデル」を作ろうと言うのか?

そこで、Google。

思うに、そのロボットにGoogleの言語処理機能を実装してしまえばよい。
つまり、今Webで起きている言語に関することすべてが同期が取れ、予測できるのであれば、
もしかすると、人間相手にトレンドな話題で会話できるかもしれないからだ。
これが従来のロボットとは異なる。従来のロボットは、人間側から積極的に「教え」なければならない。
もしくは、辞書をカセットの様に交換しなければならないし、その辞書は陳腐化していく。(たとえ自動更新であっても)

Google的技術があれば、あたかも自然にロボットが自発的に成長していくように見えるかもしれない。
特に有効なのが、介護の世界だろう。
そりゃ人同士で介護しあうのが理想だが、高齢化する現代、ロボットによるサポートが必須になってくるだろう。
単に肉体労働(要介護者のベッドの上げ下げ)の補助だけでなく、要介護者の話し相手として、もっと暖かみのある支援ができるのではないか?
つまり、人間のヘルパーの動作、会話を全部共有できれば、それを介護ロボットと同期できれば、面白い介護システムが生まれるかも知れない。
要介護者をぞんざいなに扱う悪徳ヘルパーよりよっぽどマシだしね。

で、それが実現すれば、その先は日常パートナーとしてのロボットである = アトムである。
コンピュータが産業用として生まれて、現代は娯楽用にまで利用されるようになったように、
介護ロボットも、人間のパートナーになる日も近い。

そして、理想は・・・
あたかも生身の人間が居るような「温かみ」のあるコミュニケーションロボット。
当分は最大公約数的性格を持ち合わせていると思うが。 
スターウォーズのC3POの能力に似てるかも。

名付けて「コモン君」 

いえいえ、安部公房のコモン君ではありません(笑)

まるで、「しなやかな」 「竹の穂先」 の繊細さを持ち合わせたような

人の心を予測するロボットが生まれるかもしれない。 

そのとき人は、そのコモン君に、 「おまえは機械だ」 と言えるのだろうか?


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