エコノミックアニマル万歳
かつて日本人に対して投げかけられた
「エコノミック・アニマル」の意味を勘違いしている人がいるのではないか?
すくなくとも私は、蔑称 だと勘違いしていた。
不勉強(大学時代は全く勉強しなかった)が祟って
今になって必死になっているが、
記憶では、確か英国の外務大臣か誰かが最初に使ったんだと思う。
「動物のように経済優先で突き進んで文化的奥行きの無い国家」
というような解説で、小学校の担任からも教わった憶えがある。
しかし最近になって、まったく違う意味で有り、むしろ賞賛だったと思えるようになった。
アニマル・スピリット という経済用語がある。
あの古典 ケインズ経済学に出てくる用語で、
デジタル大辞泉の解説によれば、
アニマル‐スピリット 【animal spirit】
企業家の投資行動の動機となる、将来に対する主観的な期待。英国の経済学者ケインズが「雇傭・利子および貨幣の一般理論」のなかで使用した用語。経済活動の多くは合理的動機に基づいて行われるが、その一方で、将来の収益を期待して事業を拡大しようとする、合理的には説明できない不確定な心理によって左右されるとし、その心理をアニマルスピリットと呼んだ。「血気」「野心的意欲」「動物的な衝動」などと訳される。
だそうである。
つまり当時の日本を表現した英国外相は、このアニマル‐スピリットが念頭にあった可能性が高く、
当時の日本経済の勢いさながら、楽観的期待感で経済に隆盛をもたらそうとする
同時の好ましい状況を 「賛辞」 したものだったのではないかと。
大体外務大臣が日本に来て外交しているのに、「動物的で下等な経済動物」などという意味で言うはずが無い。それこそ外交問題であり、もしそうなら英国は紳士淑女の国では無い。
それを曲解して一般に流布してしまったのは、一次取材したメディアの問題なのか、伝わっていくうちにどうも日本人の敗戦国としての劣等感から、意味を「忖度」だか「斟酌」だかわからないが勝手に解釈して、勝手に劣等感に浸っていたのでは無いか。
で、エコノミックアニマル万歳に戻る。
いまの日本に足りないのはまさにこの、エコノミック・スピリット ではないのか?
閉塞感、年金問題、少子化、高齢化、
みなこのスピリットで吹き飛ばそう!!
ただ、環境問題には気をつけてね。
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