この満ち足りた感覚は何処から来るのだろう。
今はもう秋、シーズン最終盤の釣行である。
普通ならもの悲しさと切なさが秋の風景の加勢を得て、誰でも否応なしに押さえがたく心を占める時期なのだ。
しかし今回は違う。
まず、準備が万全だということ(仕事完璧に終了&仕掛けすべて新品準備済み)
それと、ここ数回の釣行で、新作マツバβ2が非常に好感触であり、
鬼が金棒を得た心境であるということ。
次に河川状況、
前日板東島攻略に成功したあゆっぺ嬢の話では、普通に25尾、
名人は50尾超だった、つまり、掛かる時期だということ。
最後に天候、
真夏日に迫ろうかと言う快晴予報で、
秋の気配を払拭するほどの好条件なのである。
二日前、かやのたもさんとのやりとりで、「爆釣を願う」メールを頂いた返信で、
「爆釣。それは時間を未来に設定しただけの事実なのである。」と、
どこかの小説で読んだキザな台詞を引用して、
高らかに爆釣宣言して乗り込んだ九頭竜なのである。
テンションが低かろう筈が無い。
◇
多分3年振りの板東島である。
九頭竜川が不調だった時期、気持ちは長良、神通に流れていた。
でも自分にとってここが、初めて大鮎と格闘した「聖地」なのである。
その当時から比べると年々砂で埋まり、腿まであった水深も膝下が精々、
15cm程度の鮎があちこちで跳ねる、チビ鮎の聖地に様変わりしていた。
狙うはここではない。
下流のドン詰まり、岩盤瀬である。
気合い一発泳いで、岩盤の上に立つと、勝手知ったる流れから、思うように良型が顔を出す。
ハミアトもある。ここで粘れば予想通りの結果が待っている、、、筈だった。
しかしこのまま話が終われば、爆釣自慢話で鼻つまみ者に堕すのみで、ブログネタとしてはB級以下である。
案の定、話はこのままでは終わらなかった。。。
ここから、天国から地獄に落とされることになる。
◇
自信バリだった筈のマツバβ2。
背掛かり率の高いβ2。
しかし、矯めて抜こうとした時に連続してバレ始める。。
これはいつかの感触だ。そう、竿が硬くてバレるパターン。
今日は超超硬の撃龍竿。どうやらラインと竿のタックルバランスが悪いようだ。
鮎はすべて背掛かりだからそれしか考えられない。
竿をSL2超硬に交換する。
ポイントも変え、β2で流すと、早速掛かる。
一匹目は良かった。「これで良し!」
しかし、掛かりがおかしい、狙ったポイントでは掛からない、 バレる。。
気を取り直して、オモリを打ち直して沈める。
また掛かる。伸され気味になるが起こしてオトリが顔を出して抜く体勢になる。 バレる。。
なんてことだ。β2は背掛かり率が高い、見た目、手感でも掛かりは背掛かりだ。
なぜバレる? 竿は変えた。
掛かりが浅い? 身が柔らかい? ハリスが硬い?
混乱してきた。
今日はβ2のテストがテーマなので、他のハリは持ってきてないから比較できない。
とはいえ、マツバよりイカリの方がバレにくいということはあり得ない。
チラシならどうか、、確かめたい。。
場所替え。。
前回良かった北島岩盤瀬。
さすがにこの時期はハミアトも少なく、かつてのような状況にはない。
しかし、前回差し切れていないポイントが、この低水位の状況ではあちこち試せる。
来年への予習を兼ねて、再訪。
どこでも差せる状況。
分流も手前の溝から六角ブロックまでひょいと一跨ぎの水量だ。
下流のテトラ帯、前回初めて入った時はテトラは3,4個しか頭を出していなかったが、
今日は10個以上見える。
深めのポイントを静かに流すと、さっそく黒いオスが掛かるが、興ざめ。
即養殖に交換し、雌?が掛かるも、バレる。。
更に混乱してきた。
どうも型がいいとバレるようだ。
取り込めるのは、エラや尻尾に掛かった変なやつばかり。
しっかり背掛かりし、抜く瞬間にTの字に盛り上がるあゆは、、、 バレる。
ここまで取り込み率は3割。
鮎釣りを始めて、ある程度は「分かった」筈の鮎釣り。
駆け出しの頃でさえ、こんな悲惨な状況になったことはない。
そう、これまでの鮎釣り人生で最低の、最悪のバレ率なのである。
瀬を変えよう。
上流の岩盤に移り、深めのところを探ると、コツンと掛かる。
大鮎背掛かり特有の感触だ。
カミに上る。
絞る。
背掛かりの感触で下る。
更に絞り、たるみに寄せて、斜めに構え、大鮎の抜きに備える。
オトリが顔を出す、掛かり鮎が見えた、と、、、、 バレた!!!!
混乱してきた。
何がいけない?
ハリを変えた。
もう10本目だ。
しばらくすると、、掛かる。
しかし、ヒト絞りすると、、バレた!!!
「じぇじぇじぇ!」 と、心で叫ぶ!!
すると、胸ポケットで、
「じぇじぇじぇじぇ、じぇじぇじぇじぇ、じぇ~!!」 と、着信音。
タイミングが良すぎる^^;;
釣友からの着信音は「じぇじぇ」にしてあるw
このタイミング(4時)で電話してくるのは。。。はは~んw あゆっぺだな?!
出ない! バキッ!!☆/(x_x) というより、この立ち込んだ状況では出られない!
特に、ショックに打ちひしがれてるしね。
もう嫌だ。
バレ連チャンで、やめ、やめ~~~!!
15打数5キャッチ、10バレ 打率.333
◇
もう、基本に戻るしかないね。
基本? 引き釣り? いやいや、泳がせ~~(爆)
膝下水深の泳がせカミ飛ばし、それしかこの傷心を癒やす方法はないのだろうか?
電話口であゆっぺ嬢が言う。
「わたし、泳がせってかったるくてやってられないんだよね~。せっかちなのかも?」
おいおい、それは以前俺が言った台詞だぞ!
いつの間に本格的な引き釣り師になったんだ? ねぇ? ww
一方は板東島を手の内にし、シーズンを最高の状態で終えようとしている女瀬釣り師。
方や、瀬につくも、もはや錆びて、もの悲しささえ漂う、哀れな元瀬釣り師。
いつから逆転したの??
◇
倍返し??
半沢ドラマは終わったよ。
そうさ、今は返り討ちの時さ。
◇
さて、答えを出そうとしたβ2マツバ。
過去二回の釣行では最高の結果を出した自作のハリ。
今回は仕上げだった筈が、、宿題の倍返しを食らう!?
◇
長いシーズンオフ、
この、不調の原因がまったくわからない状況で、
このまま、
どうやって精神を保てるのか不安ではあるけど、
2013年10月1日、
鮎原人の鮎、納竿とします。
今シーズン出会った皆様、
これまで通り、
ご一緒していただいたいつものメンバー様
誠にありがとうございました!
(良かったね、GINEIさん?)