保安院のバカ野郎

鮎原人

2012年03月17日 11:19

「寝た子を起こすな」

原子力安全委員会の原子力防災指針の見直し着手に関し当時の保安院長が発した言葉

安全に関する基準、運用は、常に最新の知見に合わせて見直され続けるべきが当然なのだが

この発言をした元保安院長にとってはそうではなかったようだ

この発言を突っぱねられなかった方にも根性が足りないと思うが

自分の仕事、領分で事を荒立てたくない官僚の性行が如実に表れている

経済活動に置いて賠償で済ませられる範囲なら、このような怠慢を働いても百歩譲ってまだ許せる

しかし原発事故に関しては一度発生したら取り返しの付かないことになる

これは原発推進派自ら「何重もの安全対策を講じている」 ことからも明らか

それだけ「危険・重篤」だということだ


もう一つのポイントは(誰かの発言にもあったが)

原発を政治問題にしてしまったこと

寝た子を起こすとは 再び政治問題化するなという意味も含まれる

原発の安全性とは政治では無い

純粋な工学的問題だ

事故が起きるのは「政治的に『危険』」 だからではなく

また安全なのは「政治的に『安全』とされている」 からでもなく

純粋に工学的に安全かどうかなのだ


だから、想定外・想定内 だけでもなく

津波の高さ基準 だけでもなく

地下断層等の立地条件 だけでもなく

予備電源装置の標高 だけでもない

施設全体の経年劣化状況 だけでもない

緊急時の安全体制 だけでもない

これらを総合した全体としての『安全性』が工学的に安全な水準であるかどうかなのだ

政治家が、電力会社が、官僚が 『安全だ』 と言ったから安全なのではなく

また反対派が 『危険だ』 と言ったから危険なのではない

冷静にみてどれくらいの水準にあるのかで初めて判断できる

これはもちろん設計上の基準だけでは無く

施工後の結果をみて判断しなければならない

工事の手抜きだってあるからだ


だけれどもそうやって考えていくと

どう考えても 『安全だ』 というよりも 『危険だ』 と言う方に傾く

そもそも天変地異は人知の及ばないところで起きるからだ

そういう意味では、「工学的問題」 だけではないのかもしれない

だから少なくとも人知が及ぶ範囲では

「工学的に理想」 なことが必須条件なのである

冒頭の発言は、原発安全性に関し

致命的にレベルの低いものだと断ぜざるを得ない


頭の良い筈の官僚がこの程度なのである

ようするに 「頭が良すぎる」 のである

「周回遅れのトップランナー」 ではなく 「周回進みの脱落者」 なのである


自分にはそう見える





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