さよなら、愛しい人 ⇒ さらば愛しき女よ

鮎原人

2012年11月02日 02:21

村上本の 「さよなら、愛しい人」 を読み終わった。

チャンドラーのマーロウものを買い漁っていて、たまたま最初に検索に引っかかったのが村上訳だったわけだが、
1ページ目からどうも訳調が他の清水本と異なってる気がして、最初は抵抗があった。
2011年と割と最近の刊行本だから、活字が大きめなのが却って読みずらかったのは、自分でも意外だった。
集中力を持って読むには、一頃の活字サイズと、余白との比率がベストの様な気もするが、

多分村上本に対する偏見からだとは思うが・・・


しかし読み進めるうち、休みつつも二晩で読んでしまった。
この引きつけられる感じは、訳者云々ではなく、ひとえに作品の質の高さによる。

それと、残りページが少なくなるにつれ、一巻完結の小説だからこそ、
クライマックスが近づくのが 「物理的」 に感じられて、止められなくなる。

電子書籍では味わえない、「厚み」、「読み応え」 が紙の本にはある。
単に古い文庫本のビスケットのような匂いと、紙に対するノスタルジーを感じるだけの代物ではない。


余談だが、訳者あとがきを読んで、すこし村上春樹が近づいた気がした。
チャンドラーの小説のある人生と、チャンドラーの小説のない人生とでは、確実にいろんなものごとが変わってくるはずだ。
そう思いませんか?

思います(笑)

村上本のロンググッドバイも読んでみる気が起きた。


しかし、清水本の 「さらば愛しき女よ」 も注文したので比較してみよう。

俺って、変態読者なんだろうか???

仕事ほっぽり出して、鮎ブログも書かないで、こんなことばかりやってるし。


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